自分の親とはいえ、親だからこそ、遺言書を書いてもらうのは大変です。

エンディングノートや終活の存在がクローズアップされるようになり、自ら進んで自分の人生の締めくくり方を考える人が増えてきました。

しかし、まだまだ遺言書については「お金のことを話すのははしたない」ことだという考えの日本人の間では書かない方や、頼まれても書きたがらない人が多いです。

残された家族が困らないために遺言書を書いてもらうのに、うまい切り出し方はないものでしょうか。

親の遺言書が無いとどうなるか?

遺言書があるのとないのとでは、残された人の遺産相続の手続きの大変さがまるで違ってくることをわかってもらいましょう。

いきなりその話題を持ち出して説得するというよりは「私の周りにそれでとても困った人がいた」

という世間話ふうに話したほうが、親が身構えないかもしれません。

内容は以下のようなことです。

遺言書が無い場合の遺産相続の手続き

  • 亡くなった人の財産は銀行預金だけでなくタンス預金や財布の中身、金庫の中に至るまで調べる
  • 借金があればその明細も明らかにしたうえで、財産目録を作る
  • 故人の全生涯の戸籍謄本、相続する人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、不動産登記簿謄本などを集める
  • 故人と相続人の関係をしめした相続関係説明図を作る
  • 相続人全員で話し合い、相続分割協議書を作る
  • 相続分割協議書と、さきに集めた書類で、財産の名義変更を行う

遺言書がある場合の遺産相続の手続き

  • 正式な遺言書で財産の分け方が決められていて、遺書執行人が指名されていれば、執行人が手続きを行っていくだけで、上記のように相続人が何度も集まるような必要はない。

親に,遺言書,書いてもらう,方法

「遺言書が無いともめるから」というのももちろんですが、遺言書がないまま亡くなると、

「それぞれに忙しい身である家族が予定を調整しあって何度も会合したり、そのつど交通費も時間もかかり大変になる」

ということをわかりやすく伝えてみましょう。

日本の法律では遺言書は15歳から作成することができる書類で、もうすぐ死ぬことが前提というわけではないことも合わせて伝えてみると良いかもしれません。

遺言書をの話になると

「縁起でもない!」

と怒る人は多いですが、

「元気なうちだからこそ書くんですよ」

と説得してみましょう。

「遺言書を書くと長生きする」という話もあります。

親より先に子が遺言書を書いてみる

子であるあなたがまず自分で遺言書を書く、というのも説得力があります。

「実はね、この間、わたしの遺言書を書いたんだよ」

といえば、

「えっ、どうして!?」

という話になりますよね。

それから遺言書を書くメリットについて説明していけば、興味をもって聞いてくれるかもしれません。

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遺言書キットから始めてみる

遺言といえば公証役場に行って書くものというイメージがありますが、自筆で遺言書でも、きちんとルールが守られていれば正式な遺言書として法的効力があります。

「遺言書キット」という、自分で遺言書を作成できる詳しい説明、用紙、封印できる封筒がセットになったものが市販されているので、こちらから始めるとハードルが低いかもしれません。

内容を更新したいときのことも考え、用紙のみのセットも別売りになっています。

財産が多額であったり、分与が複雑であったりという場合は、記載の誤りによって遺言書が無効になってしまうリスクのない公証人に依頼することも検討してみると良いでしょう。

ただ、子がまず書いてみる場合や、公証役場にいくことをしぶる親でしたら、まずキットから始めるのもひとつの手です。

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これには注意!親に遺言書を書いてもらう時

「みんなのために良いことなのだから」

ほかの相続人に相談せずに無断で親に遺言書を書いてもらうのは避ける方が良いでしょう。

連絡なしで遺言書を作成した後、あなたが頼んだということをなんらかの形で聞きつけ、

「自分だけよくしてもらうように頼んだのでは?」

「まだ生きてる人の遺産の話をするなんて」

と誤解をする人がいるかもしれません。

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遺書ではなく遺言書

それにしても、どうしてここまで遺言書に拒否反応を示す人がいるのかなと考えてみたのですが、「遺言書」という字が「遺書」に似ているからなのかなとふと考えました。

親が遺言書を嫌がったら、「財産分割指示書」のようなビジネスライクな名前のほうが抵抗なく書いてもらえるかもしれません。

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