いらない土地・家屋は相続放棄すればそれで終わりでしょうか?

私の父は地方に小さな土地を持っています。

私は一人っ子なので、両親のものはすべて私が引き継ぐことになりますが、正直この土地は欲しくないのです。

持ち続けたところで利用する予定は全くないし、時々は周りの家に挨拶に行かなければならなかったりで何かと面倒。

毎年発生する固定資産税も払わなければなりません。

かといって、売れるかどうかもわからないし、まず第一に父が了承しません。

この先、父が亡くなってもほとんど財産もない我が家ですが、それにしてもこの土地だけ相続しないで済む方法はないものか?

調べてみました。

いらない土地をどうする①寄付する

土地を市町村などの自治体に寄付する

「いったんは相続して、それから更地にして土地を自治体などに寄付してみるのは?」

と思いましたが、意外にも自治体は土地の寄付を受けてくれないこともあるそうです。

え、もらってもらうこともできないの?

理由は「市町村の大事な収入源である固定資産税収入が減少する」からだそうです。

考えてみればもっともですね。

税収が減るわ、管理する土地が増えるわ、では自治体だって欲しくないですね。

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自治体として役に立ちそうな土地、使用する目的がある土地なら寄付を受けるようですが、価値の低い土地では断られると思っていいでしょう。

そういえば、ときどきお金持ちの人が故郷のために土地を寄付したりしていますが、あれはかなり地価の高い土地ですよね・・・。

ただでも受け取ってもらえないのはちょっと悲しいですが。

土地を近隣の人に売る、または寄付する

あなたにとっては必要でない土地でも、その隣に住んでいる人が「あの土地もあれば、息子の家を建ててやれるのに」と思っているかもしれません。

ただ、土地を売買すればあなたに売却益にかかる税金が発生し、寄付した場合には受け取った方の人に贈与税がかかります

うちの土地の場合は大した金額にはならないかと思いますが、土地の売買や寄付には税金を確認し、双方納得できる形で行いましょう。
(贈与税には基礎控除が110万円あり、空き家や土地の合計評価額が110万円以下なら無税)

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いらない土地をどうする②土地だけ相続放棄

このブログの別記事でも触れていますが、相続というのは、欲しい部分だけもらうということはできません。

親が残した財産と借金があれば、財産だけもらって借金は免れる、ということはできないのです。

この土地・家屋の場合も同じで、預貯金だけもらって不動産はいらない、というのは通りません。

ただ、以下のような方法もあります。

土地以外の財産を生命保険にする

生前に財産を預貯金から生命保険の死亡保険金に変えてもらっておくと、親が亡くなった時に受け取れる保険金は、相続に含まれないそうです。

Q 相続放棄をした場合でも、死亡保険金を受け取れるの?

A 契約者と被保険者が同一人の場合、受け取る死亡保険金は死亡した人の財産ではなく、保険金受取人の固有の財産となります。
ですから、相続を放棄しても死亡保険金は受け取ることができます。

例えば、契約者・被保険者が夫、死亡保険金受取人が妻の場合、妻が受け取った死亡保険金は妻の固有の財産になります。死亡した夫の財産ではないため、妻は相続を放棄しても死亡保険金を受け取ることができます。

引用:公益財団法人 生命保険文化センター

ただし、相続を放棄した人は相続人とみなされないため、生命保険金にかかる控除は受けられません。

生命保険金の非課税枠とは

生命保険金は「残された家族の生活保障」という大きな目的があるので、一定の生命保険金には税金がかかりません。

相続人が保険金を受け取る場合に限って「500万円×法定相続人数」の金額が非課税になります。

・・なんだかちょっとややこしいですが、要するに、

「相続をしないことにしても死亡保険金をもらうことはできるが、(相続人ではなくなっても)その保険金には相続税はしっかりかかる」ということです。

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土地以外の財産を生前贈与しておく

親が納得してくれていれば、の話ですが、親が生きている間にいらない土地以外の生前贈与という形で先にもらっておくという方法もあります。

毎年少しずつもらう、孫の教育資金としてもらう、などの方法がありますが、財産が多額な場合は工夫しないと通常の相続税より多くなってしまうのでよく調べておくことが必要です。

土地を相続放棄しても・・ええっ!?

ところで気になるのは、相続を放棄した土地はどうなってしまうのかということ。

相続放棄された土地、すなわち持ち主がいない土地は、国のものになります。

第239条
所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。
所有者のない不動産は、国庫に帰属する。

ふー、やれやれ・・・と思ってしまいそうですが・・実は、こういう法律があります。

第940条
相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない

つまり、所有権を手放すことができたとしても管理責任は引き続きあるということです。

考えが甘かった・・・。

相続財産の管理人を選任してもらう、という方法もありますが、費用が数十万円以上かかるうえに価値が低い物件では受けてもらえないこともあるようです・・。

参考:「相続財産管理人の選任」裁判所HP

売却の可能性を探るしかない!

こうなったらどんなに安くても、多少の税金がかかっても。

売却の可能性を探らなければ

私が住んでいる場所と父の持っている土地はあまりに距離があること、私が仕事が忙しいことなどを考えると、あまり売却に時間や手間はかけられません。

あとあとシツコク勧誘されるのも嫌だし・・・と思っていたら、電話だけで「購入希望者との交渉」「物件情報の開示」「売買契約の手続き」までやってくれるサイトがあることがわかりました。

数社の見積もり結果を比較してくれるくらいならどこにでもありますが、電話でここまでできてしまうサイトがあるのは知りませんでした。

→不動産の窓口

「しつこい勧誘はいたしません」と大きく表示されているのが安心できるので、こちらで売却の可能性を探ることにしました。

結果によっては父を説得する材料になりそうです。

まとめ

相続を希望しない土地がある時は

  • 近隣の人や自治体に寄付を提案する
  • 相続放棄する(土地以外の財産をうけとるには工夫が必要)
  • 相続放棄により所有権はなくなっても管理責任は消えない

実家の片付け問題とともに「いらない土地」「売れない土地」問題も今後ますます深刻になるでしょうから、国としても対策が必要ですね。

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